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癌ワクチン(樹状細胞ワクチン)

2018.7 がん療法

樹状細胞(Dendritic cell)は、その樹木が枝を出しているような形状から樹状細胞と命名されており、強力な抗原呈示能力がある。

異物である癌細胞の抗原を、これの細胞表面の主要組織適合性抗原(MHC:Major Histocompatibility Complex)に加えると癌細胞を強力に攻撃する細胞傷害性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte, CTL)を効率的に誘導できる。この時どのような癌抗原を用いるかでいくつかの手法がある。主には癌ペプチドを用いるか、患者さん自身の癌細胞を用いるかだ。

それぞれ一長一短がある。まず、ペプチドは主に癌が発現しているであろうペプチドを数種類から多い施設では26種類を用いて行っている。後述する癌組織を用いる方法よりは簡便にできる。しかし、発現しているペプチドを予想して用いるようなものだから、完全に目的の癌細胞に合致したCTLが誘導されるかが確定的ではない。