自然免疫と獲得免疫
2018.10 免疫療法免疫には自然免疫と獲得免疫があるのはご存知だろう
自然免疫はマクロファージや好中球を主体として最初に異物を攻撃し破壊するとともに、その情報を樹状細胞などとT細胞に伝え、より強力な免疫システムである獲得免疫を発動さる。例えば軽い風邪なんかは自然免疫で対応できるが、重い肺炎などはより強力な獲得免疫が必要になる。つまり獲得免疫よりも自然免疫の方が低く見られていた。しかし、最近では自然免疫は獲得免疫であるT細胞をはじめとして全身の免疫系をコントロールしている事がわかって来たのだ。
獲得免疫の発動機序は樹状細胞が中心となる。樹状細胞は食細胞の一種で強力な抗原提示細胞だ。様々な異物を貪食しそれらのペプチドを MHC(主要組織適合遺伝子複合体 major histocompatibility complex)に乗せて、感染組織からリンパ節まで移動する。免疫細胞で抹消組織からリンパ節に移動できるのは樹状細胞だけだ。そして、リンパ節ではT細胞が待ち構えていて、運んで来たペプチドと一致するレセプターを持ったT細胞(ナイーブヘルパーT細胞)だけが活性化されエフェクターT細胞となり、より特異的な免疫反応が起こる。