「ダイエット薬」のお話
2019.11 免疫療法前回までの糖尿病と腸内細菌の関係から、ちょっと柔らかめでダイエットのお話。
最近、と言ってもかなり以前からだが、「痩せ薬」として糖尿病治療薬が利用されているのはご存じだろうか?美容系の先生方はよくご存じと思うが、意外と内科の先生はご存知ないかも。何科と言うより、保険診療と自由診療で分けた方が分かりやすいかも知れない。
要は「保険適応外使用」な訳だ。確かに糖尿病治療薬と言ってもいろいろな作用があり、糖の再吸収を抑制したりすると、体重が落ちるのは当然。糖尿専門の先生の中には「とんでもない!」と憤慨されている方もおられるとか。私は、某美容チェーンの若い先生が患者さんから
- 患者さん
これって糖尿病のお薬ですよね?
と尋ねられて
- 先生
え?これは痩身の薬ですよ。
と真顔で返事したのを知っている。いくら何でもこれは酷い。しかし、薬の作用機序を理解し、日本で認可された目的外で薬剤を使用する事が良いか悪いかは別にして、薬理作用を理解して、応用していたとしたら中々大したものだと思う。バイアグラだって最初は降圧剤だった。ラエンネックなんて慢性肝炎の薬剤があるなんて、大学で肝臓やってた頃は知らなかった。これは最近は内科の先生でも知ってる「美容」の薬だ。