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不老不死について

2021.5 その他

だいたい「不老」が話題になり出したのは「テロメア」が細胞の複製を規定し、それの長さを出来るだけ保つ、ないし伸ばすと老化が防止出来ると言われ出してからだ。しかし、その為には結局、運動、睡眠、食事などの健康的な生活しか無い、いわゆる「そんなのわかってるワイ!」的な結論になっていたから、もう一つ盛り上がらなかった。ところが、老化をコントロールしていると言われる、サーチュイン(sirtuin)遺伝子が発見され、これらの活性化を行う物質が提唱されてから俄かにブームが加速した。

これの代表的なものがNMN(nicotinamide mononucleotide ニコチンアミドモノヌクレオチド)で、以前触れた中国の人がありがたがって大量購入していた、1ヶ月30何万円のサプリメントがコレだ。

更に、ハーバード大学のシンクレア教授が「老化は病で治療できる。」「生物が老化する必然性は無い。」と主張されて、一気にブームになった。どの物質(薬剤も含む)をどのぐらい摂れば良いかも具体的に発表されている。又、もう一方の大家として、元ワシントン大の今井教授もNMNの若返り効果を発表されたりしている。以前登場した私の仲間の「研究者」も色々やっていたりして、私的にも非常に興味深い事と思う。

しかし、ここで、ちょっと疑問が残る。本当に自然の摂理である「老化」に整合性が無いのだろうか? 細胞の「不老」つまり「不死」というと嫌でも「癌細胞」が思い浮かぶ。また、細胞の「若返り」ということは「幹細胞」の分化の過程の逆行という事になる。