ヒト幹細胞培養上清液Ⅱ
2021.12 その他前回から上清液について触れ出しているのはわかっていただいてると思うが、「何を今更!」と言われるのも良くわかる。やっぱり本丸は「幹細胞!」と思っていたからだが。色々と症例が集まって来ると、そろそろ無視する訳にもいかないのではと思った次第だ。まあ無視してた訳でもないけれど、余りに幹細胞の一種のように一般に宣伝されてるのを見てると、「いや、違うだろう!」と言いたくなる。
以前話したことがあると思うが、再生医療法制定の前、うちのCPCで線維芽細胞を培養しているときの培養液が肌のいわゆる美容にすごく良かった経験もある。そこで培養液、今で言う「上清液」の含有物分析などもやってた。これを「医薬部外品」の認可取ろうとしたりしたものだから、中々進まなかったわけだ。現状みたいに、何も考えず「幹細胞上清美容液」なんかで売り出せば儲かったんだろうが。
実は、上清液を使おうと思ったのには訳がある。今、抱えてる患者さんで、「余命1ヶ月」の人が2人いる。腸内フローラの移植やウチのImmune Rgurating Factorの投与で、回復傾向、3ヶ月目で2人ともまだ元気にされているのだが、もう一つ決め手が欲しい。よく例えで言うのだが、野球で言うと9回裏2アウトで5点ビハインドの状態だ。満塁ホームランでも足りなくて、もう1点欲しいところなのだ。特に大腸癌の肝臓転移の方は某医科大学で画像では肝臓全体に転移巣があって、原発の大腸の手術も行わないことになった。