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癌治療に対する考え方

2022.9 がん治療

この連載も何と60回目。免疫や再生医療の事や、主にコロナ関係が多いが日常診療の徒然などを書き連ねてきた。今回は総括の意味も込めて私の癌治療に対する考え方を整理しておきたいと思う。

ダイエットや若返りなんかもやってますけど、一応これが本業だからね。まずはこれ。

一般に癌の治療となると、Stage分類と癌の組織型が問題になる。TMN分類はStage分類の参考だからね。もちろん基本概念が臓器別だから、原発が何処かが大きな問題となる。

この原発臓器、Stage、組織型によって標準的な治療法が決まっている。Stage Iなら大体が手術だろうけど、最近は局所療法も進んでいるからこちらの選択になる事も多い。例えば肝臓癌ならラジオ波による焼灼術。胃癌で粘膜内なら内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)。もちろん、組織型や胃癌なら潰瘍の大きさなんかも治療選択の基準になってくる。これは転移の可能性の有無で、局所療法で良いのか、拡大手術の方が良いのか判断するからなのだけど。だから他臓器に転移しているStageIVはまず手術は行わないで、ほぼ化学療法になる。つまり癌治療は事細かに治療の選択基準が決まっている。