がん予防のための食事
がんを予防するためには免疫力に注目することが重要です。
免疫力はがん細胞を攻撃し、その働きを抑えこむ役割を持っています。逆に免疫力がダウンしてしまうとがん細胞を抑えきれなくなり、増殖してしまいます。また、免疫力を高めて活性酸素を無害化するには、抗酸化物質を積極的に摂取することが大切ですよ。
抗酸化物質は、活性酸素が原因となって生じる老化や免疫機能の低下・がん・動脈硬化などを防ぐ効果が期待できます。栄養素の中でもビタミンA・C・Eは特に抗酸化作用が強く、がん予防に欠かせないものです。これらはビタミンACE(工一ス)と呼ばれ、野菜に多く含まれています。
また、果物も予防になる食べ物として効果的といわれており、とくに柑橘類はビタミンC、βカロテン、ポリフェノール、食物繊維も豊富で積極的に摂ることがすすめられています。
厚生労働省では1日350gの野菜摂取が目標とされていて、毎食小皿1~2皿の野菜料理を取り入れていくと野菜が補え、がん予防にも役立ちます。そんな栄養たっぷりの野菜と果物ですが、特に摂るのをおすすめされている食材をご紹介いたします。
にんにく
にんにくは、アメリカ国立がん研究所作成の「デザイナーフーズ・ピラミッド」で最上位に位置付けられているほど優秀な野菜です。にんにくの独特のにおいのもとは硫酸アリルで、病気や老化を招く活性酸素の害を抑制する強力な抗酸化作用があります。また、にんにくに含まれるミネラルのセレンは、がん要因の一つとして考えられている過酸化脂質を分解する酵素となります。
おすすめ料理
- まるごとホイル焼き
- にんにくと鶏肉のトマトシチュー
- 豚肉や鶏肉の下味に混ぜて焼く(すりおろしにんにくがおすすめです)
※刺激の強い成分が含まれているので、食べ過ぎると胃の粘膜や胃壁を荒らすことがあるので過剰摂取しないようにしましょう。(1日2~4片までが好ましいです)
キャベツ
にんにくに次くがん予防効果があるといわれているキャベツには、イソチオシアネート(強いがん抑制効果)とペルオキシダーゼ(発がん物質を抑制)という酵素や、ビタミンC、ビタミンUが豊富に含まれていて、肺がんや膀胱がんの予防に有効といわれています。ビタミンUは胃潰瘍を予防することで有名です。
おすすめ料理
- 塩キャベツ
- キャベツのコールスロー
※ビタミンCは熱に弱いため加熱すると栄養素が減ってしまいます。なのでなるべく生の状態で摂取するのがおすすめです。
ブロッコリー
ブロッコリーに含まれているスルフォラファンは、イオウ化合物の一種で強力な抗がん作用があります。最近では、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)が話題になっており、これにはブロッコリーの20倍ものスルフォラファンが含まれています。他にもカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、E、鉄、葉酸なども含まれています。
おすすめ料理
- ブロッコリーとパプリカのごま和え
- ブロッコリースプラウトともやしのナムル
- サラダの上にブロッコリースプラウトをトッピングなどもおすすめです
※スルフォラファンを生成するのに必要な「ミロシナーゼ」という酵素は熱に弱く、加熱によって壊れてしまうため、生で食べるのがおすすめです。また加熱調理する場合は長時間、火にかけないようにしましょう。
にんじん
にんじんはカロテンが豊富に含まれていて、特に皮の部分は栄養が豊富なのでじっくり煮込んで皮ごと食べるのがよいでしょう。カロテンは体内でビタミンAに変化し、免疫カを高めます。強い抗酸化作用で肺がんや胃がんを予防する効果が高いとされています。また、にんじんの葉にもカロテン、ビタミン、カリウムなどの栄養素が豊富なのでぜひ無農薬のにんじんを買い、葉も食べてみてください。
おすすめ料理
- にんじんとレンコンのきんぴら
- にんじんのグラッセ
- 野菜たっぷりポトフ(にんじん、きゃべつ、ブロッコリーなど入れてあげるとよい〇)
大根
大根の辛み成分は強力な抗酸化物質で、解毒作用を強めてがんを予防したり、血栓をつくりにくくします。大根にはジアスターゼ、オキシダーゼなどの消化酵素が含まれており、ジアスターゼは食べ過ぎによる胸やけや消化不良を予防改善する働きがあり、オキシダーゼは魚の焦げた部分にできる発がん物質を解毒する働きがあるので、焼き魚を食べる時は一緒に大根おろしを食べるとよいでしょう。
おすすめ料理
- おでん
- 大根のみそ汁
- おろしポン酢の冷しゃぶサラダ
※煮物を作るときなどに大根を下ゆですると、水溶性の栄養素であるカリウムやビタミンCがゆで汁に流出します。これらの栄養素を逃さず摂るには、大根の下ごしらえを電子レンジでおこないましょう。
トマト
トマトにはリコピンというカロテノイドの一種が含まれています。リコピンの抗酸化作用はカロテンの数倍以上といわれています。がん予防のビタミンACE(エース)も含まれています。
おすすめ料理
- カプレーゼ(オリーブオイルかけてあげてください)
- 豚肉とトマトのたまご炒め
※リコピンは油に溶けやすい性質があり、 油と一緒に食べると体内への吸収率が増します。そのため、トマトはオイルをかけたり、油で調理するのがおすすめです。
ピーマン
ピーマンはがん予防効果の高い食品のトップクラスに位置づけられています。緑色のピーマンが一般的ですが、パプリカと呼ばれる赤と黄色のピーマンもあります。赤ピーマンのビタミンCは緑色のピーマンの2~3倍あり、βカロテンよりも強い抗酸化作用があります。
おすすめ料理
- 無限ピーマン
- 豚肉となすとピーマンの味噌炒め
- チンジャオロース