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免疫系に重要な役割を持つ腸内細菌

2018.4 免疫療法

「免疫とは非自己を見つけ出し破壊する作用である」と思っていないだろうか?
もう少し詳しく言うなら「非自己」に癌細胞などの「異常な自己細胞」を加えても良い。自己の細胞を攻撃するのは免疫システムの異常で「自己免疫性疾患」とされている。ところが免疫系は自己を攻撃することもあるし、非自己を攻撃しない事もある。

アポトーシスはご存知だろう。プログラミング死の事だ。人が胚から体を形成していくときにも発動するのだが、余分な部分を処理していくのは免疫細胞である貪食細胞だ。胎児期の特殊な状況だけではない。日常においても、記憶を忘却するには神経細胞の接合部を処理しなければならない。これも貪食細胞、主にはマクロファージの役目だ。自閉症などはこの部分がうまくいかず、記憶が消えないから異常な記憶力となるのだ。この辺りは腸内フローラの関与が大きいことは以前書いた。腸内フローラとマクロファージとは密接な関係があるのだが、これは後程。

腸管などの主に粘膜系の免疫システムが複雑なことは以前触れた。食物の分子や空気中の塵などをいちいち攻撃したりはしない。危険性のないものは放っておかれるのである。