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若返りの治療Ⅴ

2022.5 その他

そしていよいよ細胞老化の第3番目の原因であるテロメア短縮によるもの (複製老化)について。第3番目と言ったが老化とテロメアが最も関連している気がしませんか?

そもそも複製老化とは、正常細胞をin vitroで培養すると約50回の分裂の後に増殖が止まる現象から発見された。この現象のことを発見者のHayflick博士の名を採って、Hayflick(ヘイフリック)限界と呼ばれている。そして、現在ではこの現象の原因はテロメアの短縮によるものと考えられている。

さてまた「テロメア」だ。以前の「不老」に関してでも出てきたが(老化細胞じゃありませんよ。念の為。)この際、ちょっと詳しく説明しておこう。

テロメアは「染色体の末端を保護する染色体の要素」としてハーマン・J・マラーとバーバラ・マクリントックによって発見された。その名の由来だが、テロメア(telomere)とはギリシア語で「末端」を意味する「テロ」 (telos) と「部分」を意味する「メア」 (meros) からなる造語だ。そして、その名の通りテロメアは染色体の末端にあり、特徴的な繰り返し配列をもつDNAとタンパク質からできている。