ブログ

 

肥満とマクロファージ

2019.5 免疫療法

今回は肥満とマクロファージ。こんな所にもマクロファージは関与しているというお話。

アレルギー物質によって誘導される誘導型M2マクロファージについては色々研究されていましたが、もともと組織に常在している組織常在型M2マクロファージについては発生の仕方や、その生体内での機能が不明な点が多いが、脂肪組織常在型のM2マクロファージの役割は解明されつつある。

脂肪組織は長い間、余分なエネルギーを中性脂肪として蓄積するだけの働きしかないと考えられてきた。しかし、脂肪細胞由来ホルモンであるレプチンの発見を皮切りに、さまざまなアディポサイトカイン(生理活性物質)としてアディポネクチンやレプチン、TNF-αなどを産生・分泌する立派な内分泌 臓器であることが分かってきた。

肥満に伴い間質細胞の 構成成分が大きく変化するとともにアディポサイトカイ ンの産生調節が破綻し、炎症性アディポサイトカインの 産生が増大し、抗炎症性アディポサイトカインの産生が減 少することで全身のインスリン抵抗性が引き起こされる。因みに、インスリン抵抗性が増すと、肥満ホルモンであるインスリンはよけいに分泌され、更に肥満を助長する。