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癌治療に対する考え方Ⅱ

2022.10 がん治療

前回、癌治療は3段階で考えるべきだと書いた。これは癌治療全体の設計図に当たると考えて頂きたい。

個々の段階に対しての考えを整理すると、まず1.に挙げた見えている癌(つまり画像に映る癌)に対しての治療方針である手術や放射線治療に関しては異論ないと思う。なんせ、所謂「標準治療」だからね。ただ、適応については意見が異なる。どういうことかというと、手術はStageIからStageIIIの癌に対して行われるが、他の臓器に転移しているStageIVになると「適応外」となり行われない。全身転移が疑われるからだ。放射線療法の方は「局所療法」の側面も持つので、もう少し適応範囲が広いというか緩やかだが、特に手術は基本的に「根治できる」症例が対象だ。つまり画像に映る癌が全て切除可能な場合が対象になる。それ以外でも、担当の外科の先生の考え方にもよるが、転移が限局的な場合は原発巣を切除して転移巣は局所療法を併用する場合は行う事がある。ただ、この場合も転移巣が複数臓器にある場合は、まずやらないだろう。癌が全身に拡がっていると判断されるからだ。

この根本的な考えとして、切除しきれなかった癌ないし、存在しているであろうが画像にとらえられない癌に対しては、標準療法では化学療法しか残っていないからだと思う。つまり、化学療法の効果を信用していない裏返しでもあると思うのだが、如何だろうか?